昨今、日本に於ける「e-文章法」の制定や米国に於ける公文書保存の要求、EUに於ける文化遺産データの保存要求等にみられるように、デジタル化されたデータの光ディスクへの保存(アーカイヴ)の要望が著しく高まりをみせております。一方、成熟した光ディスク産業は、安価で粗悪な商品が市場に導入されているため記録できないなどのトラブルが発生していることから、重要なデータや保存すべきデータは「どの様なディスクに記録すべきか」とのカスタマーからの切実な要望が多数寄せられるようになりました。
それらへの対応のために、CDs21ソリューションズ、OSTA(米国)らが協業し、最終的には国際標準化機構(ISO/IEC JTC1/SC23)の議論により光ディスクの寿命推定試験法が、2008年に<ISO/IEC 10995>として制定されました。これを契機として、公平な立場で寿命推定試験を行う第三者機関が必要との結論に達しました。そこで、関係各位のご協力のもとに、2009年にはアーカイヴディスクテストセンター(Archive Disc Test Center )を設置し、皆様の要望に応えるべく井橋孝夫、初代理事長のもとに活動が開始されました。
未知の分野のため、体制を含め不備な部分が多々ありますが、ISO/IEC10995制定の理念を尊重し、前任者の成果を引き継いで、光ディスク寿命推定試験を公正に行っていく所存です。
その上で、カスタマーの不安をとり除き、推定寿命を周知させ、光ディスクの益々の利用促進を図りたいと考えております。我々のNPO法人としての活動が、社会発展及びインフラの確立に役立ち、ひいては光ディスク産業の発展に寄与できることを心から願っておりますので、どうか、私たちの活動に対しての御理解、御支援の程、何卒、よろしくお願い申し上げます。
2011年9月
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